El Viernes Santo(聖金曜日)と呼ばれるイエスキリストの受難と死を記念する日にメキシコのatlixcoでは、伝統的な行事として"Los Engrillados"と呼ばれる、体や手足に重い鎖を巻かれ、顔には黒の布で覆われ、裸足で街中を歩く行事がある。 目的は、1年の悪い自身の行いに対しての償いであり、様々な年齢の方が参加していた。
特に顕著な特徴として、年齢の高い人や信仰心の高い人ほど大きく重い鎖をつけていること。
朝10時から約60組ほどいる懺悔者達は足並みを揃えゆっくりとゆっくり前へと歩みだす。
一人では決して歩けなく家族らのサポートを受けながら、支えられながら前へとゆっくりとゆっくりと歩く。
物凄く奇妙な音が響き渡る。
ガーッと足首に巻きつかれた大小ある鎖が地面を引きずる音。誰もがその重い鎖をゆっくりと前へと足を運ぶと同時に足に鎖が食い
込む。
足首や肩まわりは歩き始めると
同時に赤く腫れ上がってくる。
重さは、なんと約70キロ以上。
朝10時からとはいえ、陽も彼らの体に陽を照らし始める。体温も高くなり始め、鎖の温度も少しずつではあるが日差しによって高くなり始める。
陽が高くなるにつれ、歩みも少しずつゆっくり となり立ち止まる機会も多くなり始める。
立ち止まるにつれ、家族が心配そうに声をかけ、なぜかレモンの汁を
与え続ける。
彼らにとっては、歩み続けるほうが痛みを和らげるうえでは楽であるように思える。 しかし、歩みはゆっくり。立ち止まり。そしてまた歩み始める。
肩に掛かる鎖の重さに耐え切れず
掛け直してくれとサポートする家族へ頼むものもおり、サポートする家族が懸命に鎖を持ち上げようとするもあまりにも重く中々持ち上がらない場面も。
結局周りの方が集まり、3-4人で一緒に声を合わせながら持ち上げていた。そのときも懺悔者の顔は
肩に食い込んでいた鎖が取れた安堵な表情を黒い布越しに見ることが
出来た気がした。
そして、最後の 教会までの坂道が見た目にも、体力的も一番厳しいものだっただろうと推測する。
というのも、急勾配であり、一般の方でも息を切らす坂。 それを表すように懺悔者たちは、鎖の重みから姿勢も前屈みで歩いてきたが
ここでは、より一層前屈みとなって
ゆっくりと歩き続ける。さすがに
サポートする家族も力ずくで体勢を整えようと腕をしっかりと取り、彼らの歩調にあわせ坂道を進む。
教会に着くと跪き、顔を覆う黒い布が邪魔で表情が見えないものの、祈りや自分が犯した行為に対してつぶやいているように見えた。