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  • skcovita5884

Huaracheのゆくえ

メキシコシティからCuetzlan(クエッツァラン)へ足を運んだのは、2014年頃だった

と思う。

当時はPueblo Magicoに登録されていた町を全て制覇したいと思っていたこと

もあり、写真撮りつつ出来る限り多くの町を周ろうと旅をしていた。

そこで、シティから行けるPueblo Magicoということで選んだのがCuetzlanであった。

当時、気になっていた女の子と一緒に町を散策したのを覚えている。

町を散策しながら撮影対象者を探していた時、街の中心部(セントロ)へ何かを買いに

来たインディヘナへ声を掛けた。

そこで会話を交わしながら、ポートレート写真撮影した後にお礼として100~200ペソ程を

渡している際に気になることを語った。


「このHuarache(草履)も各集落によって結び方が違うと。」それにより何処の集落に属して

いるのか分かるという。

そもそもインディヘナといえば、女性が身に着けている伝統衣装ウィピルを思い浮かべる。

ウィピルのデザインによって何処の集落に属している、もしくは出身が分かると聞いたこと

があったが、男性の場合の違いがあるのか!!っとちょっとしたこの会話のやり取りで

興味深い発言だと思った。

それから、3年後に日本に戻ることになるのだが、その発言が本当なのか

気になっており、やり残したこととして一度調査してみたいと思っていた。



日本に帰国後、日本のお祭りにフォーカスして撮影に臨んでいたことやコロナの影響などもあり、その間もこのHuaracheが存在しているのかも分からないまま、ネットや友人を通じて

情報を得ようと試みたものの、本当にそのような結び方の違いがあるのかは分からないまま調査実行に移るまでに8年の月日が経ってしまった。


今回、日程的に回れる集落に限りがありサンプル数としては非常に少ないものの調査してみて理解したことは、Huaracheを使用する人自体どんどん減ってきていること。いわゆる近い将来、存在価値のない道具として絶滅するとも言えるだろう。主にこのHuaracheを履いている人はインディヘナの高齢の男性のみ。普通の靴の方が履き心地も含め良いのは分かっているとはいえ、習慣で履き続けているのが理由である。逆に女性はプラスティック製の格安な靴を履いている。または未だに裸足で歩いている方も多数いるのが実態だろう。


インディヘナ集落出身の成人男性は、Huaracheに対し子供のころは履いていたものの

履き心地の悪さや学校まで1時間以上歩いたりする過酷な環境では適していないことから

履かなくなった歴史がある。さらにHuaracheやインディヘナ伝統衣装を身に付けることで

社会からの差別、蔑視があることで、自身がインディヘナ出身であることを隠すようになっていった経緯もある。さらにいえばインディヘナ自身も独自の文化である伝統衣装やHuaracheを身に付けないインディヘナへの差別や蔑視があるという実態が見えたことが発見である。

しかしながら、政府の対応や社会の変化により、ある集落では毎週月曜日には

伝統衣装をはじめとしてHuaracheを身に付けて出席することが求められている学校もあり、インディヘナの伝統文化を見直す、再構築化が進み始めているのも現状である。

 

結論

  • Cuetzalan(クエッツァラン)付近の集落ではHuaracheの結び方は一緒であり、各集落で違いがあることは発見されなかった。(2,3集落の調査ではサンプルが足りないのも事実)

  • 購入する靴紐の長さにより足首まで巻き付けるのかの違いがある。また素材による違いもある。

  • 州によっては結び方、素材、デザインに違いがあるかもしれない。

次のステップ1:サンプル数を増やす 


Cuetzalan周辺の集落への聞き込みを行う。対象範囲を広げて実態調査を行う。

木曜日、日曜日にCuetzalan周辺の集落の方が何か売りに来たり、買い物に来たりするので

調査を行う。


各集落へ訪問しHuaracheを履いている高齢のインディヘナへ聞き取り調査を行う。


次のステップ2:各州にある集落へ調査範囲を広げる。


インディヘナの集落が多いとされる州、オアハカ、チアパス、ソノラ、タバスコなど

かなり広範囲に対象を広げる。 北部、南部でも違いがあるかもしれない。

 

調査は続く。


「結び方の違いで出身集落が分かる」「結び方の違いで属している集落が分かる」という

当初の課題はサンプル数が少ないため、未だ分からない。しかし、さらに調査を進めて

その点を明らかにしていきたいと考える。そのためには、長期間メキシコに滞在することを

余儀なくされるためコンスタントに1週間以上の休暇を取り年に数回通うのかを考える。


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彼女との時間で生じていた「笑い」を懐かしく思う日々を今過ごしている。 たった10日間であったが、年末年始の時期にメキシコに足を運んでくれた奥さん 僕の業務上、ホテルに缶詰め状態ではあったものの二人でいれる時間を楽しく 過ごすことが出来たと僕は感じている。 今、住んでいる都市から一番近いリゾート地であるイスタパへ遊びに行ったり メキシコシティにてマリアッチやルチャリブレを観戦したりと 一緒に居れる時

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