今回、お盆休みを利用し各地域でこの時期に集中的に行われる日本のお祭りの中で
民俗的なお祭りを探すと出てきたのが、この山鹿灯篭祭り。
非常にユニークな踊りであると同時に頭に被る灯篭は和紙で出来たひとつひとつが
精巧に作られている。数名しかいない職人による技術と手法で作成する灯篭であるため
一体一体が非常に貴重である。 踊りはというと、このお祭りの前に行った阿波踊りを
「動」、「大らか」と例えるなら、「静」、「清らか」と言えるだろう。
非常にゆったりとした動きの連続の中にしなやかに動く手、手首の動き、
清らかさを際立たせる顔や首の動きと表情、雄大さを表すフォーメーション。
観ていて「美しい」と感じられる踊りであり、神社の境内でお披露目した際の
神社内に設置した照明から放たれる光が薄暗い境内を絶妙な色合いを演出し
踊り子の動きや立ち振る舞いを際立たせた。
千人灯篭祭りでは、小学校のグランドの中央に建てられた舞台を中心に何重にも輪になって並び
一斉に踊る姿は壮大で近くで踊り子を観るのではなく、高い位置から観ると壮大さが伝わる。しかし、踊りを良くも悪くも活かすのは、光の強さと光の色使いである。
踊り子の被る貴重で金色に輝く灯篭を青やピンクといった照明で映し出すのは
その良さを打ち消すのと同等で如何なものかと感じた。
勿論、高い位置から全体を見渡せる場所にいる観客には、色の変化は壮大さをアピールするには
非常に効果があると思うが、踊り子と同じ視点にいた僕にとっては彼女らの表情が
見えづらく微妙であった。
しかし、僕にとっては、このお祭りは何度も来てみたいと思うお祭りであることは言うまでもない。