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seiichi kobayashi

豊浜鯛まつり Toyohama Tai Matsuri


2日間にわたって行われるはずの豊浜鯛まつりも台風の影響を受け2日前には初日の中止を発表していた。早朝に豊浜に到着したときには、台風は既に通り過ぎていたものの雨と風が強く降っていた。前夜の台風の影響で会場近くは停電であったため信号も機能していない状態であった。しかし、時間が経つにつれ時折みせる陽が開催中止を懸念する僕を勇気づけた。

しかし、陽はみせるものの、小雨も同時に降る気分勝手な天気に苛立ちも見せながら開始時刻になるまで会場近くで待っていると巨大な鯛が大きな掛け声と

ともに動きだし始めた。

急いでカメラを片手に走りだした。会場近くの駐車場から様子を窺っていたときには、小さいのでは?と感じた鯛の大きさは、歩を進めるにつれて正規の大きさを僕に見せつけてくれた。 

「デカっ!」っと思わず呟いてしまったほど。

その鯛のまわりを昔やんちゃしてただろう人達が囲んでいた。

巨大な鯛は、そんなやんちゃしてただろう人たちのチカラを借りてゆっくりと街を練り歩き海辺までたどり着いた。

台風の影響で本来は海水に沈めないという話であったにもかかわらず、最終的に総勢14,5名で神輿を担ぎ

気合いを入れるように大声をあげながら、勢いよく海水の中へ滑り込んでいった。

鯛まつりは、10~18mの竹と木材を組み合わせ白木綿を巻いて作られた重さ約1トンの巨大な鯛が街を練り歩き豊浜と海の安全を祈るまつりである。


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