周囲約4kmほどの小さな島であり、長崎市の沖合7kmに位置するのが池島である。
戦後の1952年から海底炭鉱の開発が進み、7年後の1959年には営業出炭を開始し
坑道総延長距離約90kmの巨大海底炭鉱となるまで発展していった。
石炭産業の飛躍的発展に伴い、もともと小さな半農半漁の集落であった池島は、石炭産業を港湾・道路・住宅などが次々と整備され、島の人口も最大7,776人へと膨れていった。
しかし、1960年代から70年代にかけて、エネルギー供給の主体が石炭から石油に移る「エネルギー革命」と、安価な外国炭に押されるカタチで、国内の炭鉱は次々と閉山に追い込まれていった。 そのような状況下であっても、池島炭鉱は炭質・採掘条件ともに優れた国内有数の炭鉱として最後まで生き残りを図り操業を続けようと試みたものの、エネルギーに対する時代の流れや外国炭との価格競争には打ち勝つことができないまま、2001年11月29日に閉山することなり、半世紀におよぶ歴史に幕を閉じることとなった。
廃れていく人工物と自由にかつ人工物に纏わりつくように成長する自然の強さ。
人間の住む居住区として存在しながらも、人間がいない空間は奇妙に見えるものの
絶妙なバランス(調和)で均衡を保っているようにも感じた。
廃れていく人工物のスピードに対し自然の成長スピードが勝っていくため
草木が人工物であるコンクリートを覆いつくし、虫や昆虫が成長していく
それにより、今回個人的に均衡と感じられたバランス(調和)は今後大きく崩れていくのであろう。
現在はこの集合団地には誰も住んでいないため、手入れなどは行っていない。そのため
草木が自由気ままに成長しコンクリート製の団地を覆いつくそうとしている。
池島にはネコが多い(飼われている)が、瀬戸内海に位置する大久野島のウサギのように
繁殖し何百匹へと増えていく可能性もあるかもしれない。あくまで仮定ではあるが、人間よりネコの方が多くなっていく島へと変貌するのも近い将来かもしれない。
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