嵯峨嵐山駅より車で5分~10分程度の場所に位置する愛宕念仏寺。
当時は、東山にかけた一帯を、愛宕郡(おたぎごうり)と言っていたが、
この寺も愛宕の地に最初に建てられたこともあり愛宕寺と名付けられた。
しかし、鴨川の洪水で全て流れて 廃寺となってしまい
後に天台宗の僧 千観(せんかん)が、その復興を命じられ
千観は生涯念仏を絶やすことがなかったということから
寺の名前も後に愛宕念仏寺と言われるようになったと言う。
戦時中には、無住寺となり昭和25年の台風災害により境内・仏像 等が
多大な被害を受けたことにより廃寺となってしまった。
しかし、昭和30年に 仏像彫刻家 西村公朝が住職として任命されことで
再興され、京都一の荒れ寺であった寺の復興が始まった。
境内全域の 本格的な復興事業が昭和55年より行われ、寺門の興隆を祈念して
境内を羅漢(お釈迦様の弟子たち)の石像でいっぱいにさせたいとの発案から、
この案に賛同した一般の参拝者の自らの手によって 1200体の羅漢像が彫られた。
本堂に向かって囲むかのように配置された1200体に及ぶ石像は表情豊かな顔をしており
真剣な眼差しを浮かべる表情だとか、驚愕している表情、笑顔に満ちた表情をした
石像が見ている者を笑顔に和ませてくれる。
一般の参拝者によって彫られたというユニークさが面白く、「癒しの寺」として
親しまれている点は納得である。
Comments